中学生や高校生にとって、文法というと用語や規則を覚える面倒なものという認識が強いです。
国語(日本語)の文章読解をするときに、内容を正確に読み取るために文法知識が必要な場合があります。
特に、長くて内容が掴みづらい文を理解するのには文法の知識が有効です。
例えば、次の文を読んでみてください。
外国人のあいだで通念のようになっている日本人は不可解だというイメージは、このような日本人の否定のあいまいさに大半を負うている。(森本哲郎「日本語 表と裏」より)
どんな内容か分かりましたか?
上の文を大きなかたまり分けてみると、少し意味が掴みやすくなります。
【 外国人の あいだで 通念のように なっている 】 (修飾部)
[ 日本人は 不可解だ という イメージは ](主部)
【 このような 日本人の 否定の あいまいさに 】(修飾部)
【大半を】(修飾語)
負うている。(述語)
さらに分かりやすい文に書き換えると、次のようになります。
「外国人の大半は、否定のあいまいさによって日本人は不可解だというイメージを持っている。」
このように、誰でも分かるような平易な文では文法の知識は不必要なものですが、意味が掴みづらい文をより正確に読み取るには文法の知識が重要であることが実感できると思います。
中学生や高校生のお子さんが国語の読解問題の文章を読んで「分からない」というのは、こういう文法の知識を使って読み解けないことが原因かもしれません。
細かい文法知識を覚えることまではせずとも、主語、述語、修飾語、接続語の区別やこれらの語句の関係について一度復習しておくことをおすすめします。
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