国語で詩を読んで味わうことは言葉の感覚を磨くことにつながる。
詩は言葉が少ない分、イメージが湧きやすい。
ふつうの文章に比べれば、詩は自由に感じたり、考えたりすることができる。
そういう点では、詩を勉強する時間を多くしたほうがいいと思っています。
詩の中の言葉一つ一つに込められた思いを感じるなど、より深く詩を味わうためには、多くの言葉を知る必要があります。
塾の国語の指導で中学生に詩の問題を解かせたときのことです。
蜜柑の明るい果のように
神はそこの家族達にも
甘酸っぱい味をつけ給うたのだろう
詩「青い蜜柑」(野田宇太郎)より抜粋
その生徒は「甘酸っぱい」という言葉は、プラスイメージだけでマイナスイメージが思い浮かばなかったと言っていました。
「甘酸っぱい」を辞書で調べると、2つの意味があります。
「甘酸っぱい」
1. 甘みと酸味の混じった味やにおいである。
2. 楽しさや物悲しさとがまじった気持ちである。
goo辞書より
この詩では、2の意味で「甘酢っばい味をつける」という表現によって、家族には楽しさやあたたかさだけでなく、不安や悲しさも味わうことがあるという意味が込められていると解釈できます。
詩だけでなく短歌や俳句なども同様で、言葉のイメージがより鮮明になり、微妙な感覚を言葉で表現できるようになります。
詩を味わう、そして、言葉を味わう。
そのためには、言葉をたくさん知ることが大事になる。
辞書やインターネットで調べるのはもちろん、風景や事物を見たり、動物や植物を触ったりするなど、できるだけ五感を使う機会をつくれるといいですね。(なかなか難しいですが…)
言葉の感覚を磨くことには、体験や感覚を言葉にする、調べた言葉からイメージすることが大事になります。
また、豊かな人生を送るためには、すてきな言葉をたくさん知っているほうがいいと思います。
論理的文章や実用的文章も大事ですが、詩も同じくらい大事にしていきたいと改めて感じました。
詩を読んで言葉の音やリズムを感じる。そして、詩の中の言葉をより深く知る。
ぜひお気に入りの詩を見つけてください。