読解力向上が必要な理由の1つ目は、入試において「読解力」重視の出題傾向に変化していることです。
実際に、大学入学共通テストや高校入試、中学入試の出題傾向が年々変化しています。
ここで、比較しやすい大学入学共通テストの資料を見てください。
以下の表は、2020年度のセンター試験から2023年度共通テストまでの主要3教科(国語・数学・英語)の問題のページ数の推移です。
科目 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
センター試験 | 共通テスト | 共通テスト | 共通テスト | |
国語 | 41ページ | 39ページ | 44ページ | 48ページ |
英語R | 26ページ | 32ページ | 32ページ | 34ページ |
英語L | 10ページ | 20ページ | 20ページ | 20ページ |
数学ⅠA | 18ページ | 26ページ | 21ページ | 26ページ |
数学ⅡB | 14ページ | 18ページ | 23ページ | 26ページ |
国語は7ページ、英語R(リーディング)は8ページ、英語L(リスニング)は10ページ、数学ⅠAは8ページ、数学ⅡBは12ページとどの教科もページ数が増加していることが分かります。
実際には文章量の増加だけではなく、資料や図版の多さが目立ちます。
また、問題設定が長い問題や複数の資料を読み取る問題も見られます。
要するに、時間内に多くの情報を処理する能力である「読解力」が問われているのです。
学習指導要領の改訂により「思考力・判断力・表現力」の育成に重点が置かれるようになりました。
それらの土台となるのが「知識・技能」、そして「読解力」です。
すでに大学入試に先立って高校入試や中学入試でも「読解力」重視の出題傾向に変わってきています。
これは高校入試や中学入試の出題が大学入試改革の影響を大きく受けるということを意味します。
そのため、大学入試を見据えて、中学生や小学生のうちに読解力を向上させることが大切になります。
「読解力」は短期間で身につくものではなく、読む力、語彙力、記述力、知識量を向上させる日々の学習を通して身につくのです。
読解力は同じ学年であっても、日々の学習の有無によって大きな差になっていきます。