読書をすれば国語の読解問題が得意になるのか?


「子どもは読書が好きなのですが、国語の読解問題は苦手なんです。」

という話をよく親御さんから聞きます。

読書をすれば読解問題が得意になるのか?

答えはノーです。

私の指導経験上からも読書をすることと読解問題が得意になるかどうかはあまり関係ない。

読解問題を得意にするには、文章内容の把握や読解問題の解き方などの技能が必要となる。

文章読解の技能は読書だけでは身につかないので、当然ながら読解問題を解くためのトレーニングを行わなければならない。

だからと言って、読書することに意味がないわけではなく、メリットもある。

読書のメリットとしては、速く読める、知識が増える、教養が身につくなどがある。

読解問題の内容が難解なときは、テーマの概要を知っているかいないかで正答率は大きく変わるので、読書でさまざまな分野の本を読んでおくと有利になることがある。

知識を増やしたり、教養を身につけるには、相当な時間がかかるので、小さいうちから本を読む習慣があるといいですね。

長い目で見れば、読書で手に入れた知識や教養が人生の中で生きてくるのは確かです。

読解問題を得意にする、あるいは成績を上げるために読書をするよりは、読書を楽しむことを優先したほうがよい。

それでは、なぜ読書が好きなのに、読解問題が苦手なのか?

それは、文章をなんとなく適当に読んでいるからです。

意味を調べながらじっくり読むなんて面倒なことはしていないはずです。

また、読書が趣味としての位置づけだと、どうしても読みたい本を選んでしまうので、テーマや内容が偏ってしまう。

読解問題や入試問題で得点を取るために読書をするのであれば、出題されやすいテーマに関する本を選んだり、できるだけ知らない分野の本をランダムに選んだりする必要がある。

文章読解問題では、設問を理解することから始まって、傍線部の内容や理由の説明、言い換え、要約、文章中から正解を見つけるなど、文章をよく読んで分析していかないと正解できないようになっている。

だから、自分の好きなように解釈しても正解にならないことがある。

これがふつうの読書と読解問題の大きな違いです。

だから、読書が好きでも読解問題が苦手になるのです。

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